Silver lining

ハンググライダーのフライトログ

 
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2017.02.24 Devils Dyke

毎度のことながら天気が悪いこの季節ですが、一日限りの好条件がやってきました。
今年やっと2本目。

170224_dd.png 

雲の感じは朝から良さそうな割にはなかなかサーマルトップが上がらなかったけど、ネチネチ飛んでたら14時過ぎに大きな波がやってきて一気に雲底に。1000mくらいかなと見積もってたら思いの外高く上がって1500mを越えたので、ちょっと海岸まで足を延ばし、しかしこのリフト帯が地表のエネルギーをほぼ吸い上げてしまいサーマルタイムは終了。
2月は1000mを越えることすら稀なので、ラッキーなフライトでした。


XC TRACER II

前回、と行ってももう随分前になってしまいましたが、バリオの記事で XC TRACER を取り上げましたが、ニューモデルが発表されました。
https://www.xctracer.com/en/23/?oid=1869&lang=en
ソーラーパネルが組み込まれて、単体で使用する分にはほぼ充電いらず、とのこと。
この週末 18/19 日のみオンラインオーダーが10%オフになるそうです。
なんとなく気になってて物欲が高まってるフライヤーはこの機会にいかがでしょうか。
なお出荷は3月中旬からオーダー順なので、日本のクロカンシーズンには間に合わないかもしれませんが。。。


今時のバリオ考

今私が使っているバリオは Compeo+(6030と同じ)だけど、2年半程使ったけど正直な所色々と気に入らない。
詳細は後述するけど、最近バリオの買い替えと、サブバリオの購入を検討しています。
その前はずっと Compeo (5030) を使ってたけど、重さとバッテリーマネジメントを除けば Compeo の方が色々と良かった。それでも買い換えた理由はただ一つ、Compeo+ のファームウェアのバージョンが上がってエアスペースをまともに表示できるようになったから。ヨーロッパではとにかくエアスペースの知識無しで飛んで管制空域に入ってしまうと、ヘタすると逮捕されてしまうので、クロカンをするハング、パラフライヤーはほぼ全員エアスペースのマップが表示をできるデバイスを持っている。個人的に2つのデバイス(例えばサブにガーミン)を装備するのは好みではなく、1台で全てを済ませたいのだけど、それを満たすモデルとなると選択肢は自ずと狭まってしまう。

Compeo+ で不満な点は
液晶が安っぽい(Compeo/5030比)
キーパッドが押しづらい(Compeo/5030比)
高速になるとバリオの音が音量 Max でも全く聞こえない
ログのダウンロードにトラブルが多い(Compeo ではただの一度もなかった)
その回避措置としてSDカードに毎秒バックアップをとる設定にすると、そのバックアップのIGCファイルでデータ欠損ポイントが沢山でる(まともなバックアップになってない)
ロットによってはGPSチップの調子が悪い(よく知られた不具合?Flytec に送ると交換してくれる模様)
バリオの反応も現在の他バリオと比べてクオリティが今ひとつ
PCにデバイスを認識させるのが面倒くさい(所謂 Prolific 問題、これもFlytec で部品のアップグレードの対応は有り)
空中でフリーズした事案複数、しかもリセットできない(電池を外さないをいけない)

とまあ、書いてみると随分沢山あるなあ。特に大きな大会で起こったら洒落にならないトラブルも有るのがいやだ。

普段クロカンやって時々大会も出て、というレベルのハングパイロットに最低限必要な機能は

1. バリオ
2. G-Recordを含む IGC ファイルを出力できる
3. IGC ファイルに気圧高度とGPS高度の両方を記録できる(最新の Section 7 の要件)
4. エアスペースの表示
5. エアスピードセンサー(ピトー管)

このうち、メインバリオとして 5. エアスピードセンサー を含めるだけでもう選択肢は絶望的に少なくなって、このおかげ?でかなりのパイロットが不満を持ちながらもいつまでも 6030 を使っている状況です。
現在上記の要件を全て満たす対抗馬は私の知る限り

Flymaster NAV/Live
Digifly Air

の2機種しかない。

トップパイロットでは
Flymaster: イタリアの Suan Selenati
Digifly: スペインの Pedro Garcia、ロシアの Sasha Serevrennikova
などが使用しています。(Digiflyのブログには、イタリアチームのオフィシャルバリオに選ばれたって書いてあるけど本当かな?)

Flymaster はパラでは定評のあるバリオだけど、何故か嫌いな人も多い。ピトー管センサーが別売り(高い)で Bluetooth で本体と接続するタイプ、でもこれの評判は今ひとつ。
Digifly は昔から微妙にマイナーなメーカーだけど、Pedro も Sasha も 6030 から乗り換えて気に入っている模様。Pedro のレビューはつい最近の OzReport で紹介されたので興味ある人は読んでみてください。

そのうち Flytec も後継機種の Element にピトー管付きハングバージョンを出す予定だけど、開発スケジュールが遅れに遅れているのでいつになることやら。でも6030の受注は既に締め切ったのでそれほど時間はかからないのかも?
ぽつりぽつりと Digifly ユーザーも増えているようなので、レビューを待ちながら Element とどっちが良いか比較することになりそうです。


もう一つはバックアップバリオ。上に書いたように、Compeo+ のバリオの音が高速域で全く聞こえないので、耳に近い位置で鳴ってくれるサブバリオがあったら良いかな、と。
こちらは逆に選択肢が多くて悩ましい。
機能的にはざっくり

1. バリオ
2. G-Recordを含む IGC ファイルを出力できる
3. IGC ファイルに気圧高度とGPS高度の両方を記録できる(最新の Section 7 の要件)
4. エアスペースの表示

のうちどの機能をバックアップに求めるかによっても選ぶ機種が大きく変わってくる。

4. エアスペースの表示
の機能が欲しい場合はGPS搭載が必須なので自ずと
2. G-Recordを含む IGC ファイルを出力できる
とのコンビになるわけだけど、その場合

Oudie 3
Skytraxx
Syride の上位機種
タブレット/スマホ/Kobo + アプリ(XC Soar, LK8000, XCTrack など)
他にもいくつかありそう

ただし、Kobo の場合はバリオを外付けする必要がある。
これらのモデルはスピードセンサー不要というパイロットにはメインとしての選択肢にもなる。実際スピードセンサー無しのハングパイロットもヨーロッパではかなり多い。
ガーミンはエアスペースを表示できるけどバリオ機能はないので割愛。
まあ、サブとしてなら Kobo 以外はコストが問題になりそう。

マップもGPSもいらない、ただの音だけバリオで良いという場合

Renschler Solario
Skybean
BlueFly
Flytec Sonic
Syride Sys one
Fairhaven (高度計つきも有)
LeBipBip
XC Tracer mini
スマホのアプリ

GPSチップ搭載で 2. G-Recordを含む IGC ファイルを出力できる の機能も持つタイプになると

Skydrop (Skybean の上位版、上記要件3も満たす)
XC Tracer (XC Tracer mini の上位版、上記要件3も満たす)
LeGPSBip (LeBipBip の上位版、上記要件3も満たす)

3. IGC ファイルに気圧高度とGPS高度の両方を記録できる  はカテゴリー1の大会(世界選、大陸選手権)に出たり公式のクロスカントリー記録フライトを狙わないかぎりは気にする必要はないですが、バックアップロガーを兼ねたこれら3種のバリオはそうしたフライトでも使えるようです。

これらのバリオの中で個人的に気になっているのが

XC Tracer (mini)LeGPSBip

これらの2つのバリオの特徴は、気圧センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、GPSの情報を使ってリアルタイムで反応するバリオであること。旧来の気圧センサーのみのバリオは安定させるためにわざと遅れを設定しているけど、その必要がないので反応が早い。
鳴りだしが早いこともさながら、特に上昇が止まるとバリオの音も直ぐに止まるのが良い。
こちらのビデオを見てもらえば何が言いたいのか分かってもらえるでしょうか?

この2機種を比べると、ネット上のレビューを読んだ感じでは XC Tracer の方が期待通りの性能が出ているっぽい。けどその分値段が高い。バリオとしての性能は miniもノーマルも同等の性能を保証しているので、GPSロガーの機能を捨てて mini にするという手もある。

LeGPSBip はディスプレイはない代わりに高度と速度を喋ってくれるというのがちょっと興味深い。が、つい最近出荷が始まったばかりの新製品なので本当の評価はこれから?値段は XC Tracer mini とノーマルの中間。

SkyDrop もスペックを見る限りは同様のセンサーを組み込んでいるようなので、バリオとしても似たような性能が出ているかもしれないけど、上記2つのバリオとの直接比較のレビューをみかけたことがまだ無いので個人的には保留。こちらは価格的には LeGPSBip と同じくらいで、小さい液晶ディスプレイ付き。ただ今後のソフトのアップデートではウェイポイントのナビゲーションとか、エアスペースの対応とかいろいろ書いてるけど、あんな小さいスクリーンで何をしようとしているのか、ちょっと盛りだくさんすぎるんじゃない?という印象。

これらのバリオでの懸念は、 TEC (Total energy compensation)の機能は当然ないので、高速グライドからサーマルサーチに移行するときに違和感があるかもしれない、ということ。でも普段どのみち音が聞こえていないのだからあまり問題にならないような気もする。

なお、マルチセンサーシステムはこれからのバリオでは標準になっていくようで、先述の Digifly Air もこれらのセンサーが搭載されているし、おそらく Flytec の新モデルもそうでしょう。スペック見てないけど。

実際にこの記事読んでいる人(果たして何人いるのか?)でサブバリオを使っているがいたら、感想を聞かせて貰えると有り難いです。


※ この記事に上げた機種の日本で取り扱いの有無や価格などは一切調べていません。
※ Compeo+ 以外は全て知人のパイロットやネット上でのレビュー、メーカーのサイトから得られる情報に基づいた個人の感想です。





















パラグライダートライアングル世界記録

日本の記事を一応検索したけど見つからなかったので。
現パラグライディング世界チャンピオンの Honorin Hamard が7月9日にフレンチアルプスで306kmのトライアングルを達成し、世界記録として申請しました。そしてその10日後の7月19日に同じテイクオフから329kmのトライアングルを完成。フライト時間11時間、平均速度29.7km。めちゃくちゃ速い。

これでフランスのクロカン記録ではオープンディスタンス (400km)、トライアングルともパラが1番、アウトアンドリターンだけがかろうじてハングが面目を保つ (Atos VR, 350km) という状態となっています。。。

クラス5世界選手権 / クラス1ヨーロッパ選手権

マケドニアで開催中のクラス5世界選のライブトラッキングで毎夜夜更かししている方も多いと思います。日本チームは国別メダルは確実な状況ですが、残り2日も予報では雲底2500m以上の好条件となりそうなので気を抜かずに飛びきってくれることを期待しています。個人は Tim が逃げ切りそうですね。自分も飛びたかったなあ。もうちょっと近ければなあ。

併催のヨーロッパ選手権も個人、国別表彰台争いが激しくなっています。国別では1位のイタリアはずば抜けているけど、2位-5位のハンガリー、チェコ、スイス、イギリスの順位がタスクごとに入れ替わっています。ただゴールを揃えるだけでは順位を上げられないハイレベルの戦いです。一応イギリスを応援していますが、Grant Crossingham 以外に強い得点源がいないので厳しそう。。個人では Luke Nicol と Dave Matthews が普段も私と同じクラブで飛んでる仲間なので頑張って欲しいです。
それにしても Grant は本当に上手いな。イギリスで私が絶対にかなわないと感じるパイロットNo.2(1位は Steve Cook)。

タスク7を終えてChristian Ciech がトップに出ました。最初の2本がぱっとしなかったので調子が悪いのかと見せかけて、その後4タスクでわずか失点1(1位3回&1点差の2位1回)の圧倒的な強さでごぼう抜きです。まだ2位3位との点差はないので油断は出来ないけど。2位の Alex も一発狙って来る、かなあ。Christian はまだユーロのタイトルを獲ったことがない(Alex は2回勝ってる)ので、それが強さになるかプレッシャーになるか?

そして3位に落ちたけど昨日までトップだった Peter Neuenschwander、ハングのメジャーな大会でトップ争いに出てきたのは今回が初めてなので、名前を忘れてました。2011年のパラのPWC Superfinal チャンピオン。もうこれだけで凄い。確かハングはその頃に初めて、2014年にはもうハングのスイスチャンピオン。去年のスイスのPWCも4位という現役2刀流です。この勢いが続けば、パラで既に実績があるだけにブラジルの世界選も優勝候補になってくるかもしれないですね。



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