Silver lining

ハンググライダーのフライトログ

 
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アヌシー クラス5 世界選手権 (2)

6月27日 Day 4, Task 3

前日ほど雲底が高くない予報なのでタスクはやや短めの114km。
テイクオフのある尾根を大きく往復しながら3つのターンポイントをこなしてから北東の山に一回入り、その後湖の南のターンポイントを2つ回ってゴール。

Annecy_Task3.png

13:15ウインドウオープン、14:15スタート。
スタート前のガグルがかなりのカオス状態で、待つのがかなりのストレス。


スタート後はほぼ集団のままで往復部分をこなし、Parmelan と呼ばれるクリフに取り付いて上げ直す。このクリフトップが標高1700mくらいあるが、ここで我慢してトップアウトできるかどうかがこの日の分かれ目となった。私はコアの小さいサーマルに切り込みながら粘って2200mまで上げることができ、奥の山へ直線的に入るが、他の日本チームの選手はここでスタック。奥の第4ターンポイントを1番で回ったのは勢いがあるイギリスの Luke Nicol。彼とは普段も一緒に飛んでいるが、まだ3年400時間しか飛んでいないとは思えないほどのキレがある。私は11-12番前後で進み、湖を渡った尾根で2400m雲底からターンポイントを2つ回りつつファイナルグライド。ほぼファイナルをかけた順にゴールした感じだが、VRSではグライド勝負になったら勝ち目はないので仕方がない。最後はぎりぎりでゴール後ワンターンでランディング、タイムは2h18m。このグループの後は少し間が空き、30分後くらいから次々と入ってきて他の日本チームは約50分遅れでまとめてゴール。

でデイリー11位だが840点。総合9位。
最高高度2560m、3h08m。山本選手は2900mとか。

平均対地速度が70km/hまで上がってきた。ノーマルサイズのVRと比べて絶対的な性能差はなくなるはずもないが、速度的には戦えるレベルまでようやくセッティングが出せた。


6月28日 Day 5, cancelled

日中は晴れるが南風強く、夕方からはサンダーストームの予報。フェーンとなって日中は30度を超える暑さとなる。
夕方マンフレッドに会ったら"Good foehn!"と言っていた。飛びたかったのか?


6月29日 Day 6, cancelled


雨。午後には止んで1,2時間飛べるだろうが競技をやるには短すぎるためキャンセル。この大会のウェザーマンの予報は実に的確で、大きく外れたことは一度も無かった。
この日も14時くらいまでずっと雨で「本当に飛べるの?」という天気だったが、夕方に急速に天候回復、2000mくらいまでは上がった模様。しかしこれも予報通り次の前線がやってきて8時過ぎにはまた雨となった。山本選手のみ機体調整のためのフライト。

6月30日 Day 7, Task 4

アヌシーエリアは雲底1900mで裏の山には入れないので、南の山塊を2往復してくる129km。
勝負所が少ないタスクなので、集団で動きすぎると機体性能の差で自分に勝ち目がない。

Annecy_Task4.png


スタート後、いつもの様にグライドで皆より低くなる。同じVRSの太田選手と比べても下がるので、多分自分のグライド技術に問題があるのだと思われる。少しスピードを出し過ぎか?湖を渡った所で殆どの機体が高く先に進むのを見送りながら低いところから上げ返す。一方山本、太田両選手はスタックなく進んでゆく。それでも南の第2ターンポイントを取る頃には太田選手以外の他の日本選手に大体追いつく。

折り返して湖の北の第3ターンポイントも集団で回り、再度湖を越えて南の第4ターンポイントへ。ターンポイント手前で冨原選手ややスタック、後の5選手は集団と共にターンポイントクリアし、西の第5ターンポイントへ。ここでも太田選手が少し先行している。
ターンポイントの前に南北に延びる尾根を一つ越えなければならないが、多くの選手は真西方向に越える感じで最短ルートを進む。そのコースのやや北、尾根の手前には積雲があり、上げている機体が見えたので、私はやや北西気味にグライドしてその雲を目指す。これが当たって2300m雲底まで上げ、真西コースの集団のゴボウ抜きに成功。尾根を越えて軽くもう一上げしてから平地のターンポイントをクリアし、尾根に戻って集団の上につける。ここで2100mまで上がったので2つ目の勝負ポイントで、東の尾根への谷渡りを決行。今いるSemnozの尾根をそのまま北上しても行けるが、練習日のフライトでリフトは渋いことが予想されたので、谷渡りが上手く行けば時間を短縮できる可能性がある。
少し左寄りの雲の下で2機上げているのを確認し、自分もリフトを感じるがここはスルー。この判断が正しかったかどうか?

谷を渡った先で+4mに即ヒットし、2400m雲底まで上げて作戦成功。湖を渡って1750mまで上げ直し、最後のターンポイントを回ってファイナルグライド。
後でログを見ると2箇所ほどサーマルの横を通過しているので、無駄に下がって上げ直した分時間をロスしたようだ。ファイナルグライドで2機ほど刺されたのは、まあしようがない。
上述の谷渡りの途中にスルーしたサーマルであげていたのはこの日デイリートップのイタリアのセレナーティ選手だった。彼はそこからファイナルグライドをかけていた。
改めてログを解析すると、重要なサーマルポイントを確実に捉えきれていなかったようだ。特に高速グライド中では、サーマルを感知し寄せていく能力と、立ち止まって上げるかどうかの判断力が著しく落ちるというのが私の弱点なのが浮き彫りになる。

それでも勝負をかけたかいがあってこの日はデイリー8位タイ、836点。総合は変わらず9位。
他の日本チームもそこそこの順位で入り、全員700点以上ゲット。
国別でもイギリスチームを抜いて4位に浮上するが、3位フランスとの差はちょっと開いていて追いつくのは厳しい状況。

最高高度2420m、3h34m。
私の平均対地速度は74km/hまで上がったが、上位選手はこの日は78km/hも出ていて、本当に速い。


7月1日 Day 8, Task 5

風が南西の予報のため、Semnoz のテイクオフに上がる。いつも使うLa Forclaz のテイクオフは1250m、Semnoz は1650mと高い。尾根のトップなので雲がかかっていなければモンブランまで一望できる。タスクはSemnoz の尾根を南端シャンベリーの手前まで行き、折り返して湖を越えてParmelan のターンポイントをとってから東の山に少し入り、また出てきてから湖の谷を1往復半する126km。

Annecy_Task5.png

13時頃にダミーのフレックスが1機、少し後にAIRのフェリックスがVXで飛ぶがかなり渋そう。スタート時間はなかなかコールされず、最終的にウインドウオープン14時15分、スタート15時15分に設定される。

テイクオフよりも200mも上がらない状況でガグルになるのは非常にしんどい。良い位置からスタートが切れず、この日も後方から追いかける状態になる。冨原選手が全体のトップで第1ターンポイントを折り返すが、すぐ後から山本選手が高くリターンして程無く先頭に。私はスピードが上がらず25番くらい、さらに折り返して北上中にテイクオフの下で500mも下がるというなんとも冴えない展開。少し気まずくなったところで何とかサーマルに当たって復活。少し上に富原、太田選手。

1700mまで上げて湖を越えてアヌシーの街のすぐ東側のVeyrierの山につけるが、山頂には出られなかったためすぐには上げられず10分ほどスタック。冨原、塩野選手はすんなりと高度を稼いでターンポイントに向かう。1800m弱まで上げて富原選手から15分遅れで第2ターンポイントをクリアし、Parmelan のクリフに入る。このへんでは12番くらい。
ここでリフトがあったが無視してそのまま進んでしまったがこれは判断ミスだった。クリフより上には出れなかったため、良いリフトをつかみそこねた。塩野選手はここで2000mまで上げて真っ直ぐ奥のターンポイント方向に飛んでいった。タイミングが悪いことに、南に谷を渡った先、いつものスタートの待機場所のWolves Teeth と呼ばれる崖はちょうど雲で日射が遮られて上がらなくなっている。冨原選手は日射があるうちに私と同じコース取りですんなり上げていったので、運もなかった。私はここでまた約15分のスタック。

幸い日射が回復してきて岸壁をトップアウトできるようになり、東の尾根にこぼれて2300mまで上げてから第3ターンポイントに進んで1900mでクリア。北側の雲で上げなおして再度2300m。ここで先ほど上げた尾根に戻らなかったのが2つ目の大きな失敗。戻って2250mまで上げ直した山本選手は第4ターンポイント(第2ターンポイントと同じ場所)をクリアし、メインランディングまで戻ってデイリー7位まで上げた。この日はサーマルが弱まるのが早く、私はParmelan の崖の中腹につけたが上げ直す事ができず、第4ターンポイント1.5km手前で力尽きた。しかし他の選手のログを見ると、ここもリカバリーできる可能性はあった模様。ルート選択の柔軟性が足りない。

塩野選手は第4ターンポイントをクリアしてデイリー11位。

20140701.png


私はこの日はデイリー13位、653点と振るわず。最初から最後までダメな感じのフライトだったが、山本選手と同じ所までは行ける可能性があっただけに残念。この200点の取りこぼしは痛い。

総合は変わらず9位。
Max2350m、4h28m。


7月2日 Day 9、cancelled

夜通し雨、キャンセル。また午後には飛べる時間帯があるという予報。実際5時過ぎには晴れてきた。
日本チームは女子を中心にアヌシーへお土産の買い出し。

7月3日 Day 10、Task 6

雲底高度の数値だけみれば良さそうだったが、どうも強力な逆転層があるらしく地上気温が26度まで上がらないとブレイクしないらしい。タスクが13時過ぎにセットされたが、なかなかサーマルトップが上がらないため時間がどんどん後ろにずれ込み、それとともにタスクがどんどん小さくなって、最初は100kmちょっとあったタスクが79kmまで短縮され、しかもスタートは16時45分。昔出たスペインのアルゴドナレスを思わせる遅いスタートだ。結果的にはこれは遅過ぎで、あと30分は早くスタートするべきだった。なぜなら先にスタートしていたクラス2はしっかり上がっていたから。

Annecy_Task6.png


まず北のParmelan の崖の先のターンポイントをとってから東の山に入って奥の方の峠を回り、一旦南下してさらに2つのターンポイントを取ってアヌシーゴール。

テイクオフ直後はまあまあリフトがあったので、逆転層はブレイクしたと判断。しかしサーマルトップは1900mくらい?私はガグルに飲み込まれるのがいやだったのでスタート直前まで混雑を避けて低いところをうろうろ。割と上手く帳尻があってそれほど悪くない位置でスタートをきる。ターンポイントをクリア後、一昨日の教訓を活かしてクリフトップの高度を維持することに集中する。上手く2000m弱まで上げて、谷にハマることなく奥の尾根に真っ直ぐ移動する。どうやらこの時間はこの尾根だけが上がったようで、他のコースを飛んだ選手は誰も奥のパイロンをクリアできなかった。

先行している6機の集団の下に追いついて、しばしグループ行動。さらに奥に入って山の標高と共にサーマルトップも切り上がり、一番奥で2450m。ここで真っ直ぐ東の山脈に向かうべきだったが、他機よりもやや低いのについて行ってやや迷走してしまい、無駄に高度ロスしてしまう。自分の判断を信じるべき所、ここが唯一かつ最大の失敗だった。

結局山脈の中腹に着いたものの、自分の高度では紙一重の差で上がらず、谷筋をずっとゆるやかに下って、15kmほど進んで降りる。

トップの Walter Geppert は山脈で上げきってテイクオフまで戻るものの、最後のターンポイントが山頂で高すぎて取れずにメインランディングに降りた模様。

同じ所に先に降りていたフランスチームの Pascal から事故の一報を聞く。

この日はデイリー7位(レスキューに協力した選手に加算がついたので点数は8位)、総合9位。

Max 2460m、2h28m。

20140703.png

赤:Geppert、水色:私

7月4日 Day 11、cancelled

午後からサンダーストームの為キャンセル。

本部で事故の対応、テレビの取材など。
午後にようやく前日の成績が出て、女子の磯本選手の優勝が確定。女子チームも日本が優勝。
夜、大会主催のパーティー改め食事会。日本チームは参加を見送った人もいたが、フライヤーらしい良い集いだった。

7月5日 Prize Giving

クラス5
個人

1位 Tim Grabowski (ドイツ) 4714
2位 Norbert Kirchner(ドイツ)4616
3位 Christopher Friedl(オーストリア)4486
9位 古坂 3861
13位 山本 3614
18位 塩野 3243
21位 小林 3008
22位 冨原 2790
28位 太田 2349

国別
1位 オーストリア
2位 ドイツ
3位 フランス
4位 日本
5位 イギリス

ご存知の通り、クラス1女子は磯本選手が実質国際大会デビュー戦にあたる今大会で見事金メダル、野尻選手も5位という素晴らしい成績でフィニッシュし、スポーツクラスも岡田選手が13位と健闘しました。

私自身の成績については、VRSで世界選に臨み、自己最高順位を残せたことは素直に嬉しく思います。自分より上位の選手が2名途中棄権したための棚ぼた的な面もあるため、私がトップ10の実力があったとは露ほども思っていませんが、その昔アルゴドナレスの世界選ではぼろぼろの成績しか残せなかったことを振り返れば、自分のレベルはこの10年でも随分上がってきたのでしょう。私の技術で一番改善されたのは間違いなく板垣、塩野、山本といった猛者達と競いあうように飛んで鍛えられたクロスカントリー力なので、現在のコンペにおいてはこの能力が重要という一つの証明になったと思います。

最後になりますが、地上でサポートしてくださった大沼チームリーダーおよび水越、松田、北野、Sylvie 各氏、ハングエイドなどを通じて応援くださった皆様、日本代表に選んで派遣していただいたJHF、今回チームとして共に行動した選手各位、そして素晴らしい大会を運営していただいた FFVL と Delta Glub Annecy に感謝の意を記してこのレポートを終わります。

ありがとうございました!











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