Silver lining

ハンググライダーのフライトログ

 
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Dolomiti Open 後半

Day 5
大会日程は12日までとなっているが、12日は予備日で競技は11日(Day 7)で終了らしい。
今日は雨も上がって良く晴れているが、4000m以上で風速20m以上の可能性があるということで、約100kmのタスクが組まれたもののウエイティングの後キャンセル。フリーフライトで飛んだが、下層の風はそんなに強くないものの上層のウエーブの影響があるのか、空気の挙動が不安定で次に何が来るのか予測できない。一回雲底3600mまで上がったが、やはり風が強めなので、怖い目に合う前に降りることにする。
フライト中ベースバーをしっかりと握っていたせいで手がパンパン、首もガチガチ。

Day 6
前半の条件と打って変わってブルー、サーマルトップは3000mと低めで弱めの予報。タスクは西風アゲンストに18km、リッジ?沿いに10km南下した後北東に35km行き、メインの谷を再度西に進む105km

15kmエントリーのシリンダーをどこから入るかがポイントだが、メインの谷を対岸の北側に渡ってから西にプッシュし、シリンダーの北側からエントリーする作戦を試してみる。
自分が一番に谷を渡ったと思っていたが、実はクリスチャンやアレックスなど4,5機が同じ事を考えて先行していたようだ。予定していた尾根までは割とすんなり進めたがここで思ったように上がれず最初のスタートに間に合わず。トップグループはここで私の頭の上からスタートしていたようだが全く気が付かず。
20分後のスタート前には3100mと帳尻を合わせていい感じでスタートするが、大気があまり動いている気配がない。1stパイロンの遥か下に取り付いて、渋い中えっちらおっちら時間をかけて上げ直し、何とか復活。予報通りトップ3000mの条件で海抜3000mの崖の横を飛んでゆく。怖いけど、これくらいが一番ドロミテを満喫できる高度かもしれない。カメラを付けなかったことをちょっと後悔する。
ブルーなのでそれほどスピードを上げられず、に北東の3rd ターンポイントに向かう。ターンポイントがドロミテの山塊から離れた谷の中で少しいやらしい場所で、しかも少し先を急いで途中であまり上げずに進んだので、「風下のターンポイントは高くとれ」の鉄則に反して2300mまで下がってしまい、少し焦る。幸い辺りが上昇エリアであまり風下に流すことなく2900mまで復活。もう5時近くで時間的に谷側の低めの丘が機能していると判断して、岩山には戻らず、谷沿いに真っ直ぐ進むルートを選択。アゲンストで1900mまで下げるが予定していたポイントで直ぐに上げ直すことが出来、テイクオフの山にダイレクトに戻って3100mまで目一杯上げる。ここで20分前スタートの機体にかなり追いつき追い越したはず。少し低めに出た先行グループが先で上げ直しているのを横目に見ながら最終ターンポイントをダイレクトにとってそのままファイナルグライド。少し低くてリスクもあったが最後の谷は期待通り殆ど沈まなかったので、ゴールを切ってワンターンでランディング。
リーディングポイントが低いのでトップグループとは点差がついたが、タイム的には4位相当とそんなに悪くなかった。スタートのアイデアが結果的にトップグループと同じだったので良い選択だったと自己満足。

Day 7
タスク最終日だが、小さくまとめる気配はなく、ドロミテ満喫ルートの135km。但し、テレビクルーがゴールしてくる機体を絵になる西方向で撮りたい、ということでゴールを4kmほど行き過ぎた所にターンポイントが追加された。この往復8kmが結構いやらしいかも、と思いつつスタート準備する。
気象条件は素晴らしく、雲底4200m、サーマルもスムーズ。
今日は今大会で初めて大きなガグルが一斉スタート。このガグルがなかなかカオスな感じで、あまり振り回せない機体に乗っている身としては遠慮がちに外側を大きく回る。
さて、ここまで半分観光とエリア完熟を兼ねて飛んでいた面があったので、この日はレースに集中してみようと決めていた。
スタート後は中位の高度で切って先頭を走る。1stターンポイントは4番くらいでクリア、2nd ターンポイントに向かう前の谷渡りはやはり4,5番手。少し上にアレックスとクリスチャン。この二人のサーマルの探し方は本当に独特というか、本当に広いエリアをサーチする。
2nd ターンポイントは少し後ろから高めにクリアして、そのままリターンし、高原の上で上げ直す。この時点で単独先行になるが、次のポイントで低めの高度から上げ直していると3機ほど上に被ってくる。1stターンポイント後、南回りのルートで進んできたグループのようだ。
次のサーマルで追いつき、3rdターンポイントをとって上げ切った時点で自分とフレックス2機がほぼ横一線。ダビデ・グイディーチとエリオ・カタルディ。次のサーマルも3機で上げ切った後、その次は私が(これまでに比べて)弱いサーマルを見つけるが、後の2機は止まったものの大して上げもせず走りだす。でもその先は谷全体がオーバーキャストだよ。。。
まあこの状況でサーマルを見つけてくれたら有難いのだが、案の定この2機はその後ほぼノーヒットで降りてしまった。
自分はここは弱くても上げきる事が大事とみて、4000mまで上げてからグライド開始。上げ切った頃に下の方にアレックスがやって来たので後続とのマージンも十分。問題は次にどこで上げ直すか。最後から2つ目のターンポイントを3200mでとったら、残り25km、ゴールからの対地高度2200m。少し足りない感じ。高度もあるし一つ西側の尾根を越えれば何とかなるだろう、とダイレクトのルートで進む。が期待のポイントでノーヒット。そのうちややシンク気味の大気にも捕まり、大きい谷を渡って尾根につけても吹おろし気味なのか全く上げてくれず、ゴールを2km程過ぎた所(ターンポイント2km手前)で断念し、無念のランディング。
テイクオフ前の嫌な予感が当たってしまい、最後の8kmにやられた。
30分後くらいにアレックスがトップでゴールしてきた。この日のゴール4名は皆テイクオフの山に迂回して低く戻り、渋く上げ直してというルートだった。他の選手は皆ダイレクトルートで私の後は誰もゴールランディングにも届かず、非常にトリッキーな終盤だった。
それにしても悔しい一本だった!

大会の成績はこちら
クラス1はクリスチャンがブッチギリで優勝、私は1本も勝てなかった。2位はここがお膝元のアレックス。3位も地元のエキスパート、カール・ライヒガー。
私は一応クラス5優勝、スコア的にはクラス1に混ぜると3位相当。いや、機体性能のお陰です。
女子はコリーナ1位、ついでサーシャ、磯本さん。
今回コリーナは圧倒的な浮きを見せていた。


エリアについて
ドロミテは夏に飛ぶのは条件が強すぎて非常に危険、とヨーロッパのハング界では割と広く信じられている。
今回実際に飛んで思ったのは、条件の過激さはグライフェンブルクと同じくらい。フライトで感じるプレッシャーのレベルはフランスのサンタンドレに並ぶ、かな。グライフェンブルクの方がどこに行っても谷が広い分少し安心感がある。
雲底が高くても風が弱ければサーマルは比較的安定していて、大気の挙動もそれほど不穏な気配はない。
ただし、風が18km/hも吹けばかなり荒れる可能性がある。これもグライフェンブルクやサンタンドレと同様。私は幸い遭遇していないが、北風のサンタンドレはかなり悪名高い。今回キャンセルになった日もフリーフライト中は気が抜けなかった。

テイクオフはいくつかあるようだが、今回大会のスタートとなったKronplatzはドロミテの北端に位置していて、北側にはオーストリアアルプスを望むことができる。上にはケーブルカーで登る。一回16ユーロくらい。ここは高度が高いので無風時にはテイクオフに気を使うが、サーマルは穏やか。ランディングはケーブルカーの駅の横と、10kmくらい離れたFalzesにある。どちらも広くて問題なし。
ドロミテに入ってもランディングはあるが、ほぼ100%スロープランディングになる。ランディングの場所を知らないと入っていけないような山もあるので、事前に情報を持っていた方が良い。今回の大会でダウンロードしたウエイポイントの1/3くらいはアウトランディングスポットだった。
ランディングスポットを知っていても初めてでここの山に入っていくのはかなり勇気がいる。アルプスの他のエリアなどで山岳飛行の経験があるパイロットなら多分問題無い。
Kronplatz の弱点はテイクオフが北向きのため、始まりが遅いこと。パラはTask3で入っていった谷の東向きの斜面から10時前にテイクオフして200-300km のトライアングルを飛んでいるが、Kronplatzからでは厳しそう。
もう一つのメジャーなテイクオフは Kronplatz から30kmほど南にある Canazei という所。ここは秋に穏やかに高く上がれるエリアとして人気がある。サンタンドレと似てる。
ちなみにクリスチャンもこの近くの出身らしい。世界チャンピオンを目指すならドロミテで飛ぶのが近道、かもしれない。

大会について
これまでに出た大会の中でも5本の指に入る素晴らしい大会だった。
何と言っても条件に恵まれたのが大きいが、オーガナイザーのフラビオ、タスクセッターのアレックスを始めとして運営が素晴らしく、また選手のレベルも非常に高かった。世界一のイタリアチームがメインだから当然か。。

今回初めて知ったのは、イタリアでのフライトにおいてはライブトラッキングが義務付けられている、ということ(”As disposed by the Italian National Regulations, the Live tracking System is MANDATORY”)。
安全の為なのかエアスペース監視の為なのかは分からない。
大会においてはライブトラッキングなしでフライトした場合にはそのタスクのスコアは0点になる、とお達しがあった。実際には現状100%信頼できるシステムではないので減点はなかったが、来年あたりはそういうペナルティが現実になりそう。来シーズン以降にヨーロッパ遠征を考えているフライヤーは、ライブトラッキング対策を万全に!
また、この大会では Livetrack24 のライブトラッキングのログをスコアリングに使用した。Flymaster のライブトラッキングはパラのコンペではスコアリングに使われているが、Livetrack24 の利用は私が知る限りでは初めて。初日はLivetrack24 のシステムが上手く動かなかったので全員バリオからのダウンロードだったが、その後はライブトラッキングが上手く行ったパイロットはログのダウンロード不要だった。ちなみに私は2勝2敗。スマホのアプリ(Richard Hunt Tracker)を使っていたが、1回はスタート直後にサーバーにログが送られなくなったというエラー、もう1回はログは問題なかったがターンポイントのシリンダーに入ったと認識されなかった(多分ギリギリでとったため)ためだった。
Livetrack 24 のログでスコアリングが済むようになると選手もスコアラーも随分と楽になるので、これはもっと広まってくれると皆ありがたいのではないだろうか。スマホでログをとっても、SeeYou Recorder とか GPSDump とかでG-record付きのIGCファイルが生成されれば正式にログとして認められるので、同じスマホでとったLivetrack24 のログだけがダメとされる理由はあまり無いように思う。










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Dolomiti Open

イタリアの Dolomiti Open(Italian Championship), 7/5-7/12 に参加中です。
ライブトラッキングはここ
リザルトはここから

Day1
微風、雲底4000mオーバーの最高の条件ということで初日から200km越えドロミテ観光タスク
スタートはまずまず、南のターンポイントは5番目くらいで取り、その後コース取りが北と東に別れる。すぐ前にいるAlex が谷を渡って東の尾根に向かったのを追い、3-4機くらいで上げ直して雲底3700mくらい。
そこから自分は一番南よりのコースをとって予定通りの観光モード。全くの一人旅になったがあまり気にせず Cortina D'ampezzo の岩壁や3000m の奇岩 Tre Cime などを見物してから北上してメインの谷に戻る。第2ターンポイントの手前で4500mまで上がって空気の薄さを感じる。どうもこの時点では2番手だった模様。
次のターンポイントは谷沿いに西に68kmだが、飛び方がよく分からないのもあり、少しゆっくり目で進んでたら徐々に後続に追いつかれてきた。それでも抜かれることはなかったのだが地形の勉強不足でターンポイントの手前で入る谷を間違えて時間と高度をロスし、10機くらいに抜かれて最後は13番くらいでゴール。
これからずっと記憶に残るような素晴らしいタスクだった。

Day2
夕方にサンダーストームがあるかもしれない、ということでタスクはコンディションにしては短めの118km
タスク短めだしテイクオフからファーストスタートゲートまであまり時間がなかったのでみんな2回めのスタートまで待つのかな、と思っていたらどうも1回めでかなりの選手がスタートを切りに行く。私はまだスタートシリンダー(エントリースタート、テイクオフから6km)の3kmくらい手前で上げている途中だったが、流れに任せて共にスタート。集団には少し遅れて20番くらいか?でも割とターンポイントに向かって真っ直ぐのルートをとり、途中の岩山も上から越えて5km手前くらいでクリスチャン・チェクに追いついた。
クリスチャンはそこから真っ直ぐターンポイントに高度を落とさずにグライド、とったらまたターンして先行グループが上げているサーマルまで戻り、+4m/sで一気に上げる。さすが世界チャンピオン、全く動きに無駄がない。グライドも私のVRSよりも飛んでる気が??
ここから第2ターンポイントに向かって谷渡り、私は先頭グループの6-7番手くらい。ここからはサーマルの度に順位が入れ替わり、ターンポイント手前では一瞬トップになるが、クリスチャンが1kmくらい先で強いサーマルをヒットしてまた抜かれる。雲底4000mにつけて集団がクリスチャンを追う展開、第3ターンポイントに向かって私ともう一機は一番北寄りのコース、他はもう少し南よりの高い山に向かってコースが分かれた模様。クリスチャンの姿は見えない。狙っていた雲を2つほど外し、メインの谷に出てしまって高度も2600mまで下げてしまい、やってしまった感が少し出たが、幸い低い尾根の上でそこそこのサーマルをヒット、3200mほどまで返してからターンポイント手前にでき始めた雲に向かって谷渡り。一緒にいたRXは南の山沿いを進む。ここは私がラッキーで+4mで一気に雲底まで高度を挽回し、クリスチャンを発見。ターンポイント2km手前ですれ違ったので大体4kmの遅れ。最後のレグはアゲンストなのでL/D10では全く届きそうになかったので少し北の尾根に寄り道して3600mまで上げ直してからファイナルグライド。結局クリスチャンに3分遅れの2番でゴール。先ほどのRXは15分程後に3番でゴール、ここから集団で7−8機、さらに30分後くらいに別の集団がゴール。全部で30人くらいゴール。
前日とは違って最初から最後までレースで面白かった。

Day3
前日よりも雲底低め、でもタスクは強気の138km
段々と難易度を上げてきてるのかな?
テイクオフの上は雲底3100mくらいだが、雲の横で上ってゆく。あまりそういうふうには見えないが、コンバージェンスなんだろうか?風が少し強めなので5kmシリンダーの外に流されないように気をつけながら集団で待機。スタートは3300mで切ったがクリスチャンかアレックスは300m以上高い。メインの谷を北に渡って、ドロミテとは違うアルプスらしい尖った岩山に突っ込んでゆくと強烈なサーマルにヒット。近くに機体がいると怖くて回せないので一旦レースモードを解除して速い選手を先に行かせてから上げ直す。
ここからターンポイントまでの10kmの怖いこと怖いこと。急激に持ち上げられてから、ノーズから降り飛びながらWolfiのタンブルのビデオを思い出した。(ランディング後にコリーナから「あなたの翼が羽ばたいてたのを見て、あそこには近寄らないようにしたわ!」と言われた)11年前のグライフェンブルクでも似たような条件があったが、あれよりも更に強烈な感じ。ランディングでローカルパイロットが「あれは自分たちの基準でも強烈過ぎた」と言っているのを聞いて、相当稀に凄いコンディションだったんだと納得した。
危険ゾーンから尻尾を巻いて逃げたら、+4−5mのサーマルはあるものの、それほど荒れているわけでも無く、雲底も高くて3500mと普通に飛べる感じなので、再びレースモードをオンにする。
第1ターンポイントをとったのが多分15番くらい?最初の大きな谷渡りで地元のアントン・モロダー(5年前のイタリアチャンピオン)と一緒になる。グライドはあまり変わらない。すぐ後ろから来ているもう1機は同じ高度からグライドを始めて、更に高い。うーん。
しばらくこの3機で進んでいると前に3機ほどが上げているのを発見。下に潜って+4m/sヒット、上のグループに追いついて少し大きなグループになって前進。エリオ・カタルディとオーストリアのセッピ、昨日一緒だったRX(マルコ)もいる。さらに進んでターンポイント15km手前で前方に3機発見。長い谷渡りでこのグループに追いつき、前には誰も見えない。でもアレックスとクリスチャンはいないので多分ずっと前なんだろう。
ターンポイント前の山に皆低めで着いたのでしばし上げ直してからターンポイントクリア。この上げ直しで結構順番が入れ替わった。セッピは少し低く、エリオはかなり低くゴール方向にグライドしてゆく。私は一つ北の高い尾根に寄り道して、強いサーマルで速く上げる作戦。どっちが勝つかは5分5分の感触だったが、結果的には私のルートが少しだけ速かった。でも次の尾根で少し上げたのは全くの蛇足で、そのままファイナルで良かった。ずっと90km/hでグライドするも、サーマルで荒れていてあまりそれ以上スピードは上げられず、600mの高度を残してゴール。10分以上の差はあるけど、アレックスとクリスチャンについで3番手。1-2分後に4−5機が集団で下になだれ込んで来る。
終わってみれば絶妙のタスクセッティングで個人的には大満足。

今日のハイライトは磯本さん。ライブトラッキングが不調で行方が知れず、西の彼方にはストームも発達し始めて皆が心配しだした頃、トゥッリオが「Yoko!」と叫んで空を指差す。サーマルがすっかり渋くなった中、リッジを伝って見事初ゴール!最終パイロン付近でイタリアナショナルチームのパイロットも降りてしまう中を耐え切った素晴らしいゴールだった。

Day4
本日、昨夜からの雨のためキャンセル。明日も微妙だが、その後3日間は飛べそう。







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Author:kosaka

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